2017/10/26ありがとうございました

23日をもって、京都高島屋での「第64回日本伝統工芸展京都展」の展示は終了いたしました。
会場へお越しくださった皆さま誠にありがとうございました。
18日の会場当番の際にも、何名かの方とお話しすることができました。

日本伝統工芸展はこのあと全国を巡回し、2月に大阪にもやってきます。

今回の作品は「楓拭漆飾箱 滄溟」というタイトルをつけました。
滄溟は青々とした海、大海を意味します。杢の奥行、形の大らかさで海を表現し、外からは見えませんが、内箱には小舟に見立てたデザインを用いています。大きく暗い海に漕ぎ出す、希望と不安を表現できればと思い制作しました。
使用した材料は、メープル材です。便宜上「楓」と表記していますが、生物的にはアメリカ産なので本当はメープルが適切です。
メープルの中でも「キルティッドメープル」と呼ばれる派手な木目が現れた材料を探し、大阪の堺にある材木屋まで車を走らせました。
楓やメープル材は木工に用いる材木の中でも比較的固い材質ではありますが粘りもあり、黄楊と同様に細かな表現に向いています。実際楓材を使った将棋駒もありますね。作りたい形が表現しやすい楓材はよく使う材料です。

この「滄溟」に表現したこと、また改めて。

(画像は日本工芸会のホームページからお借りしました)