2017/08/31隠し蟻組み


春から初夏にかけて、工芸展の仕事に追われていました。
箱モノを製作しましたが、板と板の組み合わせ部分に用いるのは留め型隠し蟻組みです。噛み合わさる歯の部分の精度、先端の加工精度すべて高い技術が必要ですが、その準備段階の「毛引き」という作業もそこそこ手間がかかり、面倒な作業です。
簡単に言えば、加工する箇所に線を引く作業ですが、その線はえんぴつではなく刃物を使って引きます。えんぴつの線は細くても0.5mmくらいの太さがあり、それでは精密な加工ができないのです。刃物で引いた線であれば太さで言えば「0」に近く、より精密な加工を目指せるというわけです。無論、引く場所を間違えては元も子もないので集中を切らさぬことが重要です。