2021/03/15〇〇も筆の誤り?

 この資料は「三体千字文」という書物の一部です。千字文とはいろは歌の漢字バージョンのようなもので千字を被りなく使つた漢文の長詩で、漢字教育や文字の手本として用いられるものです。
今回の三体千字文は楷書、行書、草書の三体の手本として並べて書かれているものになります。この千字文の書家は、駒字として人気書体のあの先生です。皆さんよくご存じと思います。

さて前振りが長くなりましたが、先日その三体千字文を見ていますと何か違和感があり、よく見てみると3文字目以降、書→壁→経と続くところがなぜか真ん中の行書だけ、壁→書→経となってしまっています。

さあこれは書家の先生が間違えたのか、版を作った人が間違えたのか、気になって仕方がありません。思えば小学生や中学生のころは先生の配ったプリントに間違いを発見しては喜んでいる嫌な子どもでした。大人になってもそんなんではいけませんね。
江戸~明治時代の書物の出版風景に思いを馳せつつ、新しい駒作りに取り組んでおります。