2022/01/03本年もよろしくお願いいたします

新年おめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

2022年の正月は、息子を連れて隣県の実家の方へ帰ってゆっくりさせていただきました。実家の押し入れには過去の私の作品が転がっているのですが、久しぶりにこちらの箱を見つけました。


神代欅拭き漆の駒箱。私が専門学校に通っていた19歳ごろに制作した駒箱です。
まず神代欅に拭き漆を施していますが、今の自分なら別の仕上げを考えます。神代〇〇と呼ばれる木は色味が独特なので、拭き漆をするとせっかくの色味と木味に蓋をしてしまうことになります。もちろん神代の色味を生かした拭き漆もあり得るので、色んな選択肢から木を生かす方法を検討したいところです。この頃はとにかく拭き漆したかったのでしょうね(笑)。漆も艶々テカテカでキレイといえばキレイですが、この木地との相性で言えば微妙なところ。


そして手掛かりの刳り貫きも野暮ったい(笑)。しかし最近の自分の駒箱の手がかりも少しコンパクトにし過ぎている感じもあり、以前の作品もヒントにはなりそうです。


その駒箱に入っていたのがこちらの駒。第30作の水無瀬書盛り上げ駒
これは静山流の水無瀬と盛り上げの習作として20歳ごろに制作したものです。近づいてみると漆は滲んでいるし、字の輪郭はふにゃふにゃです(それは今もかもしれんせんが。。。)。
見ていると当時の気持ちや苦労が思い出されます。盛り上げは今でも自信ありませんが、当時は漆が縮んでしまってまともに乾かすこともできませんでした。そこでと漆を乾きが遅くなるよう調合をしましたが今度は時間をかけて縮んだだけで成果なし。この作品はおそらく蝋色漆をカラ室を通して湿室にいれて何とかかんとか乾かすことに成功したような気がします。

駒を作ることはとても楽しいですし、皆様のおかげで新しいことにも取り組ませていただいていますが、時々過去の作品を見返すと当時の苦労を思い出しますし、駒が売れるようになる前の作品とかも見ますととにかく楽しさだけで作っていたそんな勢いみたいなものも感じて懐かしくなります。

新年早々、過去を振り返る変なブログになってしまいました。

ところで、駒箱作りの経過報告が途中になってしまいすみません。
すでに木地は完成して拭き漆に入っています。また順次記事にしていけたらと思っています。