2025/01/10丸太買い |
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年末に私の専門学校の同期で同じく木工家をしているI氏から、兵庫県の材木市場で桐の丸太が出ており買わないかというオファーがあり、買うのはほぼ確定でしたが「一応」見てから決めるということで日の出前に出発して2時間ほどかけて市場まで見に行ってきました。ざっと見て、私なりに大きな問題が無いのを確認して購入し、市場の人にI氏のトラックに積んでもらいます。 丸太のまま工房に持って帰ってもどうしようもないので、I氏の紹介で製材所に持ち込んで板に加工してもらいました。 丸太をスライスしていくと木目が現れ、どんな板か初めて知ることができます。曲がっていて節もあり、一見歩留まりの悪そうな丸太でしたが、意外や意外、綺麗な木目で当たりの丸太だったようです。 板に加工してもらった材は再びI氏のトラックに積み込んでもらい、2時間半かけて私の工房まで運んでもらいました。 工房に到着後はI氏と二人で板を下ろします。桐は軽い木として有名ですが、丸太から板にしたばかりのいわゆる「生木」と呼ばれる状態のものは水分を多分に含み、下手な広葉樹よりもよっぽど重たいです。ここから1~2年かけて乾燥させて用材になるのを待ちます。 桐材はただ乾かすだけではなく「あく抜き」が必要であることが他の木材を違う点になります。あく抜きの方法は様々ありますが、今回はなじみの桐材屋さんにおすすめの乾し方を教えてもらい、その通りやってみることにしました。 翌日、ホームセンターに走り単管パイプを入手。棚を組み製材してもらった桐材を写真のように縦に並べました。板と板の間には空気が通るように桟木をかませています。普通木材の乾燥は濡れないように屋根の下で行いますが、桐材の場合はあえて雨ざらしにして、雨風にさらすことであく抜きができるようです。 ひとりで2トン分くらいの材木と単管パイプを右へ左へ動かす作業はなかなかの重労働でした。無事にあく抜きと乾燥ができるよう願うばかりです。
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2024/12/30工房の外階段 |
私の工房は軽量鉄骨造の2階建ての建物を借りていまして、2階に上がる階段は外にあります。借りた時は階段には大家さん手作りの屋根がついていましたが、高さが低く、番線やトタンもはみ出ていて怪我をしそうだったので入居前に取り外してもらっていました。 となれば、屋根の雨樋を掃除する必要がありますが、屋根の雨樋までは地面から6mあり、素人が作業するには危険です。しかも数か月でまた枯葉で塞がるでしょうから費用対効果が合いません。 となれば7年ぶりに階段に屋根をつけようとなり、コーナンプロで材料を調達してきました。急に思い立ったようですが、構想は開設当初からずっとあり、固定方法や建て上げの手順も数年かけてじわじわと策を練っていました。 柱~垂木が建ったところです。1階の機械を使って加工、仮設置、調整があればまた1階に持っていって、、、を繰り返して組み立てました。 その後、横桟、波板を組み付けて、雨樋を設置して無事に完成しました。 作業日数はちょうど2日分くらいでしょうか。 |
2024/12/20木地成形(テーパー加工~仕上げ) |
また更新期間が空いてしまいました。 12月も月前半の職人仕事でバタバタ。教え子の学生にもバイトに来てもらってなんとか乗り切りました。学生バイトの募集は私は基本的に個々のオファーや選抜はせず全員に通知して、手を挙げてくれた人に来ていただいていますが、課題の進行が遅れている子でもバイトとなるとシャキシャキと正確に仕事をしてくれることが多いです。学校の様子と仕事の現場は違うんだなとこちらも学ぶところが多々あります。こちらも彼らにもいい経験が提供できているといいのですが。。。 さて、木地成形のつづきです。 私の工房のベルトサンダーは動力(三相200V)駆動のユニバーサルサンダーという家具の加工にも使える大型のものです。ユニバーサルサンダーの特徴としてベルトの駆動部を回転させることが出来、この写真では横向きですが、下部のハンドルを操作してベルトを縦向きに使うこともできます。私の工房では集塵装置との関係で横向き固定仕様です。 定盤の中ほどに定規となるストッパーを設置し、テーパー治具とペーパーの距離を一定にします。 こちらは片面を5度に削ったものです。ペーパーの粒度は80番。ザクザク削ります。 続いて10度用の治具で裏面も削ります。この時点で厚みは仕上がりから0.6mmほど厚めにしておきます。 次の工程は風景が同じなので写真は省略しますが、ペーパーの番手を240番に付け替えて、両面を0.3mmずつ削り仕上げます。 テーパー加工まで終わりました。 |
2024/11/30木地成形(駒形に成形) |
木地成形の続きです。 木工の成形はまず「基準面」を作ることから始まります。基準面を作り、そこを基準に第二基準面、幅を定め、長さを定める順で進めます。 その次は治具で幅を定め、反対側の側面も切ります。 この作業はこのような治具を使うと綺麗に加工することができます。トグルクランプはもちろん必須です。 五角形に成形できました。 このあとはサンダーを使ってテーパー加工をしていきます。
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2024/11/24木地成形(墨付け~丸鋸加工) |
また更新の期間が空いてしまいました。11月もまた月前半の職人仕事が異常に忙しく、更新の時間どころか、10日や20日であることすら忘れていました。心を亡くすと書いて、「忙」「忘」、漢字はよくできています。 職人仕事も一段落し、駒台の拭き漆の続きや次作の駒木地製作を行っています。 こちらは事前に板材に駒形を書き込んであります。先日のブログで丸太からミカン割りした話を書きましたが、板材にしたものは少なくとも数年は低湿度の部屋で保管します。今回は2021~2022年に仕入れした材を成形していきます。 まずは五角形にカットします。その際に用いるのは丸ノコ盤。うちで使うのはこちらの「ペティワーク」です。駒木地用の治具がすでに固定されていますが、右側のアルミ定盤をベアリングでスライドできる機構になっています。ペティワークはスライド機構の精度とカット精度の高さに定評があります。工房開設当初は導入しない予定でしたが、ご縁あり導入。今となってはこの作業に欠かせない重要な機械です。 中央上に写っているのが丸ノコで、高速回転しています。手前の白い治具は駒木地を五角形に切るために治具です。 反対から見た様子です。材料の固定はトグルクランプを持ちます。3センチほどの小さな木地を手で押さえて切るのは大変危険なので、このような治具やクランプは必須になります。 |