2024/01/20難題

仕入れた木地を駒木地に仕立てていきます。

今回は薩摩黄楊の根杢材です。
薩摩黄楊の根杢は原木での入手は難しく、35mmほどの四角、厚みはテーパーがかかった状態で切り出されたものを材料屋さんに見繕ってもらい、板目と柾目を仕入れました。2年ほど手つかず湿度を下げた部屋で保管していました。

反りやテーパーのバラつきが多く、まずはテーパーの状態を揃える加工から始めました。

ベルトサンダーと簡易な治具を用いて、10度のテーパーに揃えました。整形の余地を残すために厚みは適当に厚めに残しておきました。


こちらは板目の根材(縮み杢)。縮み杢の出方だけでなく木目も全く模様が違います。


こちらは柾目の根材(縮み杢)。板目よりは木目はいくらか揃いますが、目の幅や色目はやはり異なります。

こうしてみると根材の模様を「完全に」揃えるのはかなり難しいのがお分かりいただけるかと思います。
島黄楊の製材をするようになって私も理解を深めた部分がありますが、杢が出る木地は一つの根っこの塊から数枚採れたら良い方でして、4,50枚揃えるのに何本も木が必要になります。木が違うと当然目の幅や色目が変わってきます。

木取りの理想は「共木(ともぎ)」と言って、1本の木から全ての材料を揃えることができると材料の色や表情を合わせやすくなります。しかし杢の場合は前述のように1本の木から数枚ずつしか採れないため複数の木からできるだけの表情の近いものを集めて、駒木地に仕立てる際には杢が駒の良い位置に出るようになんとかかかんとかまとめています。

さて、どうなるでしょうか?