今回はちょっとしたノウハウを載せてみようと思います。このページをご覧いただいている方には趣味で駒づくりをされる方もおられるかと思います。そんな方に少しでもお役に立てばと思います。もうすでに知ってるよと笑われてしまうかもしれませんが。。。
駒づくりで、彫り終えた駒は漆を塗りこむ前に目止めの処理をします(しない人もおられますが)。
その時によく用いられるのが「セラックニス」ですね。セッラクニスについて復習しますと、ある種類のカイガラムシの分泌物を抽出した樹脂をアルコールに溶解したニスで、目止め・ヤニ止めの効果が高く、また一液揮発性で扱いやすい自然塗料です。
駒への塗り込みは手頃な絵筆などを利用しますが、その筆はどのように洗っていますか?
ホームセンターなどで販売されている「セラックニスうすめ液」や工業用エタノールでゆすいで洗う方が多いと思いますが、きれいに洗っても次回使うときにはどうしても少し固まってしまい、毛をほぐすとニスの粉が出てくるなどといったことはないでしょうか?
実はセラックニス塗りに使用した筆は身近なものできれいに洗うことができます。
こちらはセラックニスの塗り込みに使用した筆です。このまま放っておけばバリバリに固まってしまいます。
まず軽くエタノールかセラックニスうすめ液でゆすいでおきます。 使用するのはこちらです。
・硼砂(ホウシャ)の粉末
・ビン
ホウ砂は薬局などでも手に入ります。こどものころ手作りスライムを作ったことがある方は見たことがあるかもしれません。 ホウ砂を適当な量ビンに入れ、水を注ぎます。溶け残りがある状態(飽和水溶液)にします。ホウ砂は水溶液の4~5%ほどしか溶けないようです。
私はこのまま使用していますが、気になる方はろ過したり上澄みを掬って溶け残りを捨ててください。 ホウ砂の飽和水溶液に先ほどの筆を漬け込みます。ゆすがず、漬けるだけです。
十分に漬かったら、筆を取り出し、流水でジャブジャブと洗ってニスとホウ砂をよく落とします。あとは乾かせば作業完了です。 なお漬ける時間は適当です。おそらくそんなに長く置く必要はありませんが、いつも次の作業を1~2時間してそのあと洗っています。うっかり忘れて何日も何週間も放っておくと水が蒸発して筆ごと結晶化してしまうのでご注意を(経験あり)。
またホウ砂水溶液はビンにフタをして常温で保管できます。何度か使っていると汚れが溜まってくるので、新しい水溶液を作ります。
以上、「セラックニスに使用した筆の洗い方」でした。
お試しあれ~。
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