2025/09/03御礼【グループ展終了しました】

8/27~9/1に京都髙島屋にて開催の「木工芸の技と美」展は無事に終了いたしました。
お越しいただきました皆様、高島屋様、開催にご協力くださった皆様に感謝申し上げます。

今回の展示会で展示させていただきました将棋駒、カップには書体やデザインなど新しい試みを取り入れて制作しました。以前に将棋駒をご依頼いただいた方にもお越しいただき、お話させていただく中で貴重なご意見をいただくことができ、今後の制作の励みとなりました。なかなか展示会に出品する機会も少なく、作品を見ていただく中で勉強になることが沢山あります。

改めて皆さまに御礼申し上げます。ありがとうございました。

2025/08/23グループ展出品作品のご紹介

先日お知らせしました京都高島屋にて開催されるグループ展『木工芸の技と美』展に出品予定の作品をご紹介します。

①飾り箱「metamorphose」
こちらは以前に日本伝統工芸展に出品した作品で、工芸会正会員に認定を受けた思い出深い作品です。少し珍しいタモの縮み杢に黒漆で拭き漆を施し、内箱はトチの白さを生かした造りにして変化をつけ、蛹から蝶が羽化する「変態」をモチーフに構想しました。

②欅拭き漆駒箱
造りは一般的な駒箱です。木味の良い欅の玉杢と黒柿の回線がアクセントの作品です。持ってみると結構軽いのもポイントだったりします。

③将棋駒(桂洲書彫駒中国黄楊赤柾)
今回初めて発表するオリジナル書体です。江戸時代の書家・伊藤桂洲の千字文等の資料を基に字母を仕立てました。構想~導入のあたりはコラムにも書きましたが、そこから数年かけてコツコツと字母と彫り駒の制作を進めてこの展示会でお披露目させていただきます。

④「花筏」カップ&ソーサー
今回の展示会に合わせて制作した作品で、葉っぱの上に実をつける「ハナイカダ」という低木植物をモチーフに手つきのカップと葉型のソーサーをデザインしました。普段は将棋駒と指物の仕事ばかりで、丸い挽物やノミと鉋で自由に削り出す刳り物は滅多にやりませんが、今回この作品の構想があって制作してみました。ソーサーは樹種が2種類、カップの方はデザイン違いが2種類を拭き漆の色違いを2種類ご用意しています。

展示会概要は以下の通りです。

■開催概要■
名称:「木工芸の技と美」
会場:京都髙島屋 6階美術画廊
日時:2025年8月27日(水)~9月1日(月) 午前10時~午後8時
出品作家:天野豊・市川正人・甲斐幸太郎・住谷考蔵
疋田達矢・松原輝・松本高次・宮本貞治 (50音順・敬称略)

私は8月31日(10時から15時)と9月1日(同)に当番にて会場に居ります。
お時間がございましたらご高覧いただけますと幸いです。

2025/01/10丸太買い

年末に私の専門学校の同期で同じく木工家をしているI氏から、兵庫県の材木市場で桐の丸太が出ており買わないかというオファーがあり、買うのはほぼ確定でしたが「一応」見てから決めるということで日の出前に出発して2時間ほどかけて市場まで見に行ってきました。ざっと見て、私なりに大きな問題が無いのを確認して購入し、市場の人にI氏のトラックに積んでもらいます。

丸太のまま工房に持って帰ってもどうしようもないので、I氏の紹介で製材所に持ち込んで板に加工してもらいました。

丸太をスライスしていくと木目が現れ、どんな板か初めて知ることができます。曲がっていて節もあり、一見歩留まりの悪そうな丸太でしたが、意外や意外、綺麗な木目で当たりの丸太だったようです。

板に加工してもらった材は再びI氏のトラックに積み込んでもらい、2時間半かけて私の工房まで運んでもらいました。

工房に到着後はI氏と二人で板を下ろします。桐は軽い木として有名ですが、丸太から板にしたばかりのいわゆる「生木」と呼ばれる状態のものは水分を多分に含み、下手な広葉樹よりもよっぽど重たいです。ここから1~2年かけて乾燥させて用材になるのを待ちます。

桐材はただ乾かすだけではなく「あく抜き」が必要であることが他の木材を違う点になります。あく抜きの方法は様々ありますが、今回はなじみの桐材屋さんにおすすめの乾し方を教えてもらい、その通りやってみることにしました。

翌日、ホームセンターに走り単管パイプを入手。棚を組み製材してもらった桐材を写真のように縦に並べました。板と板の間には空気が通るように桟木をかませています。普通木材の乾燥は濡れないように屋根の下で行いますが、桐材の場合はあえて雨ざらしにして、雨風にさらすことであく抜きができるようです。

ひとりで2トン分くらいの材木と単管パイプを右へ左へ動かす作業はなかなかの重労働でした。無事にあく抜きと乾燥ができるよう願うばかりです。

 

2024/12/30工房の外階段

私の工房は軽量鉄骨造の2階建ての建物を借りていまして、2階に上がる階段は外にあります。借りた時は階段には大家さん手作りの屋根がついていましたが、高さが低く、番線やトタンもはみ出ていて怪我をしそうだったので入居前に取り外してもらっていました。
その後の約7年間、外階段に屋根は無い状態で特別不便はしていませんでしたが、建物すぐ横の杉の木や雑木林の葉っぱが屋根に溜まり続けて、屋根の雨樋が完全に埋まってしまい、特にここ2年ほどは強い雨が降ると屋根のかかった雨がほぼすべて階段に降り注ぐようになってしまいました。階段の上り下りでずぶ濡れになる他、階段で撥ねた雨が1階の窓枠から浸み込んで1階作業場の壁材に浸食するなどそろそろ限界がきていました。

となれば、屋根の雨樋を掃除する必要がありますが、屋根の雨樋までは地面から6mあり、素人が作業するには危険です。しかも数か月でまた枯葉で塞がるでしょうから費用対効果が合いません。

となれば7年ぶりに階段に屋根をつけようとなり、コーナンプロで材料を調達してきました。急に思い立ったようですが、構想は開設当初からずっとあり、固定方法や建て上げの手順も数年かけてじわじわと策を練っていました。

柱~垂木が建ったところです。1階の機械を使って加工、仮設置、調整があればまた1階に持っていって、、、を繰り返して組み立てました。

その後、横桟、波板を組み付けて、雨樋を設置して無事に完成しました。

作業日数はちょうど2日分くらいでしょうか。
これでストレスが緩和し、1階の壁や階段本体の傷みもマシになるでしょう。個人事業主ですので、年末の設備投資の一環で年末にササッと片づけることができて良かったです。

2024/12/20木地成形(テーパー加工~仕上げ)

また更新期間が空いてしまいました。

12月も月前半の職人仕事でバタバタ。教え子の学生にもバイトに来てもらってなんとか乗り切りました。学生バイトの募集は私は基本的に個々のオファーや選抜はせず全員に通知して、手を挙げてくれた人に来ていただいていますが、課題の進行が遅れている子でもバイトとなるとシャキシャキと正確に仕事をしてくれることが多いです。学校の様子と仕事の現場は違うんだなとこちらも学ぶところが多々あります。こちらも彼らにもいい経験が提供できているといいのですが。。。

さて、木地成形のつづきです。
五角形に成形した木地はベルトサンダーでテーパー加工していきます。

私の工房のベルトサンダーは動力(三相200V)駆動のユニバーサルサンダーという家具の加工にも使える大型のものです。ユニバーサルサンダーの特徴としてベルトの駆動部を回転させることが出来、この写真では横向きですが、下部のハンドルを操作してベルトを縦向きに使うこともできます。私の工房では集塵装置との関係で横向き固定仕様です。

定盤の中ほどに定規となるストッパーを設置し、テーパー治具とペーパーの距離を一定にします。
テーパー治具はまず5度分削るものを使用し、片面を削り、次に10度用を使用し裏面も削る手順で進めます。

こちらは片面を5度に削ったものです。ペーパーの粒度は80番。ザクザク削ります。

続いて10度用の治具で裏面も削ります。この時点で厚みは仕上がりから0.6mmほど厚めにしておきます。

次の工程は風景が同じなので写真は省略しますが、ペーパーの番手を240番に付け替えて、両面を0.3mmずつ削り仕上げます。

テーパー加工まで終わりました。
この後はこちらは色目、木目を揃えなが一組組み合わせます。
今回成形したものの一部は販売用になっています。よろしければ販売ページご覧ください。